無人店舗の国内外事例を紹介！概要や店舗特徴も解説

1. 無人店舗とは

無人店舗とは、店員を配置せずに運営する新しい形態の小売業のことを指します。

非接触入退出の市場規模は2兆8000億円以上の可能性を秘めていると言われており、需要の高まりが伺えます。※
主な理由は、人手不足や新型コロナウイルスの影響で非接触化が進んだことや人手不足が挙げられます。

無人店舗は現代の小売りのニーズに応える斬新な方法であり、今後のさらなる拡大が期待される分野です。

※参考：「非接触入退出」は約3兆円規模へ、コロナ後も伸びる「非接触テック」市場を予測

1-1 無人店舗の現状

無人店舗の現状は、拡大の一途を辿っているものの、まだ普及段階と言えます。もちろんメリットは多数ありますがデメリットも存在します。メリット、デメリットに関しては「無人店舗のメリット・デメリットとは？無人店舗戦略」の記事で詳しく解説していますのでこちらの記事をご覧ください。

無人店舗の店舗数で見てみると餃子無人販売店は2020年度に比べ、3年で10倍に拡大しています。※
この背景には、労働力の不足やコロナ禍での非接触需要の増加が影響していると言われています。

無人店舗は現代社会のさまざまな課題に対応する新たな小売の形態として、その存在感を増していることが伺えます。

※参考：「ギョーザ無人店」急増、3年で10倍に　全国1400店舗に増加も、出店ペース鈍化

2. 無人店舗の国内事例

無人店舗の国内事例を以下で紹介しています。

2-1. ファミリーマートTouch To Go i-Mall店

引用：無人決済店舗を医療施設に初出店！ファミリーマートTouch To Go i-Mall店10月2日（月）オープン！

概要

株式会社ファミリーマートは、株式会社TOUCH TO GOが開発した無人決済システムを導入した店舗として、医療法人医誠会が新たに運営を開始する医誠会国際総合病院北棟の1階に「ファミリーマートTouch To Go i-Mall店」を2023年10月2日にオープンしました。

店舗の特徴

• 無人決済システムを導入することで、朝食や昼食の時間帯など短時間で手軽にお買い物ができる。

• 施設内で働く関係者や病院施設を利用する人々にとって、食事や飲料、スイーツなどの購入が容易になる。

• 省人化・省力化が可能となり、店舗のオペレーションコストを低減させ、人材不足の解消を目指す。

• 天井に設置されたカメラを使用して、入店した客と手に取った商品をリアルタイムに認識。出口付近の決済端末で自動表示される購入商品と合計金額を確認し、バーコード決済、交通系電子マネー、クレジット、現金で支払いが可能。

住所

大阪府大阪市北区南扇町4番14号

2-2. ローソン／大阪府の無人店舗「パークローソン千里店」

引用：ローソン／大阪府の無人店舗「パークローソン千里店」でリモート接客

概要

2023年3月30日、ローソンは「1000RE SCENES（センリシーンズ）」として、大阪府豊中市の千里中央公園内にセルフレジのみの無人店舗「パークローソン千里店」をオープンしました。
この店舗では、アバター接客サービス「AVACOM」を通じてリモート接客サービスが提供されています。

店舗の特徴

• 「AVACOM」は、アバターを活用した接客体験のDX推進サービスで、店舗や受付の無人化・省人化を実現しています。

• 「パークローソン千里店」は、近畿地区のローソンで初めてアバター接客「AVACOM」を導入しています。このサービスを通じて、シニアや子育て中の方、障がいのある方でも制約なく働くことを目指しています。

• アバター接客の導入により、セルフレジの操作方法で困っている顧客をリモートでサポートできるようになり、少人数で複数店舗に対応することも可能です。

住所

大阪府豊中市新千里東町3丁目9 千里中央公園

2-3. マルエツ／オフィス向け無人店舗「スマート プチ」

引用：マルエツ／オフィス向け無人店舗「スマート プチ」1号店都内に出店

概要

2021年3月4日、マルエツは東京都内に法人向けの無人店舗サービス「スマート プチ」の1号店をオープンしました。
この店舗は、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス（USMH）のスマートフォン決済アプリ「Scan＆Go Ignica」を利用した無人店舗として展開されています。

店舗の特徴

• 「スマート プチ」は、企業のwithコロナ対応を背景に、昼食時など外出を控える従業員やオフィスへ出勤する従業員の福利厚生として、職場の一角でマルエツの商品をスマートフォン決済アプリ「Scan＆Go Ignica」を用いて購入できるサービスを提供しています。

• 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、従業員の福利厚生として注目される無人店舗サービスは、企業の従業員向けビジネス「BtoE」（Business to Employee）に対応しています。

• 導入企業の要望に応じて、飲料、菓子、即席麺、冷食食品、文具、生活消耗品など、スペースに応じて100〜500品目を取りそろえています。また、昼食時の外出自粛に対応するため、事前予約による弁当の注文配達も行っています。

• オフィス以外でも、工場、配送センター、コールセンター、病院などの職域への展開を推進しており、100店舗への拡大を目指しています。

• 商品を置く棚などはマルエツが提供し、メンテナンスは近隣店舗の従業員が週に2〜3回程度、在庫確認、発注業務、商品補充などの作業を行っています。

住所

東京都内

2-4. 監視カメラとAI活用の無人店舗

引用：監視カメラとAI活用の無人店舗。「重量センサー不要」の新しさ

概要

セキュアは、監視カメラと人工知能（AI）を活用した無人の実験店舗「セキュアAIストアラボ2.0」を2021年7月3日に新宿住友ビル地下1階に開業しました。
この店舗は、2020年に開業した1号店の課題を基に改良を行い、従来の重量センサーを不要とする新しい形態の無人店舗として展開されています。

店舗の特徴

• 監視カメラのみを使用して、購入者と購買品を特定することが可能。

• 入店前にスマートフォンのアプリケーションをダウンロードし、クレジットカード情報を入力することで、QRコードを用いて入店が可能。

• 天井に設置された15台の監視カメラが、顧客の動きや商品の取り扱いを認識し、特定の商品を手に取った顧客を特定する技術を導入。

• 米国カリフォルニア州のアイファイ社のカメラ映像を独自のAIで解析する技術を採用し、誤認率を大幅に低減。

• 実験店舗では、約3ヵ月間の精度確認を行い、その後、無人店舗システムとしての販売を目指しています。

住所

東京都新宿区、新宿住友ビル地下1階

2-5. 『CATCH&GO』

引用：「ウォークスルー店舗」をオープン～「非対面・非接触」「レジ処理なし」に加え「フードロス削減」～

概要

株式会社ダイエーと株式会社NTTデータは、レジを通さずキャッシュレス決済が可能な「ウォークスルー店舗」を2021年9月2日にNTTデータ社内にオープンしました。
この新しい形態の店舗は、NTTデータの「Catch&Go®」サービスを活用しており、店舗の上部に設置されたカメラと商品棚の重量センサーを使用して、手に取った商品を自動的に認識できます。

店舗の特徴

• 利用者は、専用アプリをインストールしたスマートフォンを入店ゲートにかざし、商品を手に取って退店するだけで、自動的にクレジットカード決済されるシステムを採用。

• レジ精算やバーコードのセルフスキャンなどの作業が一切不要。

• 国内のウォークスルー店舗の中で最大規模の面積を持ち、冷凍商品などの多様な商品を取り扱っています。

• 弁当などの賞味期限の短い商品の見切り販売をスマホアプリで通知し、フードロスの削減にも取り組んでいます。

住所

東京都江東区豊洲3-3-9 豊洲センタービルアネックス22階

無人店舗JPでも「ウォークスルー型完全無人店舗」を取り扱っておりますので詳しくはお問い合わせください。

2-6. 和歌山県伊都郡かつらぎ町『かずさんのお肉屋さん』様

概要

和歌山県伊都郡かつらぎ町に位置する「かずさんのお肉屋さん」は、食肉の卸売りを行っているお店で、A5ランクの黒毛和牛やホルモン、牛すじカレーなどの加工食品を無人で販売する自動販売機型の無人店舗を展開しています。
この無人店舗は、冷凍自動販売機「SD-11DVM(ど冷えもん)」を2台導入し、運営しています。

店舗の特徴

• 「かずさんのお肉屋さん」では、カイノミ、サーロインステーキ、カルビセット、バラ焼き肉、サーロイン焼き肉、中落ちカルビ、バラ焼き肉、コロッケ、ミンチカツ、小腸、ホルモンミックス、すじ肉トロトロ煮、すじ肉甘辛煮、しぐれ煮、芯タン厚切り、牛すじカレーなどの商品を取り扱っています。

• さらに、近隣の農家からの新鮮な野菜も無人で販売しており、料金箱を使用した良心市の形式での販売も行われています。

• お客様が困らないように、両替機の設置や、土産用の保冷パックも購入できるように工夫がされています。

住所

和歌山県伊都郡かつらぎ町

2-7. 新潟県長岡市の『冷ぐる柏崎店』様

概要

新潟県中越地域に位置する「冷ぐる柏崎店」は、冷凍自動販売機を中心とした無人店舗第1号店として立ち上げられました。
この店舗は、地域の皆さまに利便性と満足を提供することを目的としており、全国各地から取り寄せたおいしい商品を柏崎に届けることを目指しています。

店舗の特徴

• 冷凍自動販売機「ど冷えもん-SD-11DVM」2台と冷蔵対応自動販売機「F-26AVM」1台を導入しています。

• 取り扱っている商品には、ラーメン、餃子、お惣菜、スイーツなどが含まれています。

• 自動販売機「ど冷えもん-SD-11DVM」は、10品目～11品目の冷凍食品を取り扱っており、自動販売機「F-26AVM」は、60品目の食品、食品(保冷)、雑貨、飲料を取り扱っています。

住所

新潟県長岡市

3. 無人店舗の海外事例

無人店舗の海外事例を以下で紹介しています。

3-1. ホールフーズマーケット

引用：米ホールフーズ、アマゾンのレジなし決済システムを2店舗で導入

概要

「ジャスト・ウォーク・アウト（JWO）」を導入することで、顧客は商品を手に取り、出口のゲートを通過するだけで自動的に決済が行われます。

店舗の特徴

• 利用者は、専用アプリをインストールしたスマートフォンを入店ゲートにかざし、商品を手に取って退店するだけで、自動的にクレジットカード決済されるシステムを採用。

• 入店時には、アマゾンかホールフーズのスマートフォンアプリでQRコードを表示、手のひら認証の「アマゾンワン（Amazon One）」を使用、またはアマゾンアカウントに登録したクレジットカードを挿入することで入店認証が行われます。

• JWOのシステムは、店内に設置されたカメラと陳列棚の重量センサーを使用して、顧客がどの商品を手に取ったのかを把握し、レジを通過しなくてもクレジットカードで自動決済する仕組みとなっています。

• このシステムは、アマゾンのレジなしコンビニエンスストア「アマゾンゴー」や食品スーパー「アマゾンフレッシュ」の一部店舗でも導入されており、アマゾンはJWOの外販も行っています。

住所

ワシントンDCとカリフォルニア州シャーマンオークス

3-2. BingoBox

引用：無人コンビニが上海に登場

概要

中国・上海において、24時間営業の無人コンビニ「BingoBox」が営業を開始しました。
この店舗は、スマホアプリやRFID技術※ を活用して、従来のコンビニとは異なる新しい形態のサービスを提供しています。

※RFIDとは、電波を用いてICタグの情報を非接触で読み書きする自動認識技術です。

店舗の特徴

• 店舗の面積は15㎡で、約9畳です。

• 入店には、スマートフォンのアプリ「WeChat」を使用しての本人確認が必要です。店舗の扉の横にあるQRコードをWeChatで読み取ることで、店内に入ることができます。

• 現在、BingoBoxには約500点のRFID付き商品が並んでおり、商品の価格は通常のコンビニよりも低めです。商品のラインナップは、保存期間の長い食品、ドリンク、日用生活品が中心です。

• 顧客は、選んだ商品を指定されたレジに持っていき、自分でスキャンして会計を行います。また、24時間監視カメラでモニタリングされており、不正行為を検知すると店内に警告メッセージが流れます。

住所

中国・上海

3-3. Wheelys 247

引用：無人コンビニが上海に登場

概要

Wheelys 247はスウェーデン発の無人コンビニエンスストアで、上海にオープンしました。上海は、2014年のAlipayのモバイル決済プラットフォームの導入以来、キャッシュレス決済の先駆けとなっています。
上海では、消費者にとっての利便性がこれまで以上に高まっており、現金を持ち歩く必要がなくなりました。
この背景を受けて、上海は旧フレンチコンセッション地区で、完全にスタッフレスで24時間営業のコンビニエンスストアを開店する中国初の都市となりました。
この店舗は「Wheelys 247」として、Weihai Roadに位置しています。

店舗の特徴

• 「Wheelys 247」は、顧客に「待ち行列なし、チェックアウトなし」のショッピング体験を提供することを目指しています。

• 買い物をするには、Wheelys 247アプリをダウンロードし、購入したい商品のバーコードをスキャンするだけです。

• 朝食、昼食、夕食、または食料品を購入する場合、顧客は必要なものを手に取ってそのまま店舗を出ることができます。

• 店舗を出た後、事前に登録されたカードが請求され、Wheelysから自動的に領収書が送信されます。

• 広さは500平方フィートで、約25畳です。

住所

中国・上海、Weihai Road

4. 無人店舗の注意点

無人店舗は多くのメリットを持ちますが、一方でデメリットや課題も存在します。

主なデメリットとしては、高額な初期投資が必要であること、技術的な問題が発生するリスク、新しい購買体験に対する消費者の抵抗感、そしてセキュリティ上の問題などが挙げられます。

詳しくは「無人店舗のメリット・デメリットとは？無人店舗戦略」の記事で紹介していますのでそちらをご覧ください。

5. まとめ：無人店舗については無人店舗JPにご相談ください

無人店舗は、テクノロジーの進化と消費者のニーズの変化を背景に、国内外で注目されています。
本記事では、無人店舗の概念や現状を初め、ファミリーマートやローソン、マルエツなどが取り組む無人店舗の取組みや、AIや監視カメラの技術活用例などを紹介しました。

無人店舗導入には注意点も存在しますが、適切な情報や相談先があれば、より良い方向へと進むことができます。

無人店舗に関する疑問や導入を検討されている方は、「無人店舗JPにお問い合わせ」ください。