無人店舗、無人販売で販売できる(売れるもの)商品の現状、最新動向と未来|無人店舗JP

2024.09.27

無人店舗、無人販売で販売できる(売れるもの)商品の現状、最新動向と未来

無人店舗、無人販売で販売できる(売れるもの)商品の現状、最新動向と未来

無人店舗や無人販売は、効率的な運営と顧客体験の向上を実現する新しい形態として注目されています。特に食品販売においては、冷凍食品の需要が高まり、今後も拡大が見込まれます。パッケージ型無人店舗は、24時間対応や業務の省人化に貢献し、導入が進んでいます。本記事では、無人店舗の導入に関わるポイントや、購買行動の変化、無人店舗の事例などについて解説します。

この記事でわかること
✔ 無人店舗で販売する商品について
✔ 無人店舗の導入に関わるポイント
✔ パッケージ型無人店舗のメリット

1. 無人店舗、無人販売で販売できるもの

無人店舗、無人販売で販売できるもの

ひと昔前までは、あまり見ることのなかった無人店舗や無人販売は、近年になり新型コロナウイルスの感染拡大による環境の変化や社会や経済への影響、また深刻な人手不足により、年を追うごとに増加し、街角やニュースやSNSなどでもよく見かけるようになりました。
無人店舗、無人販売の増加の背景には多様なニーズや技術の進歩により販売できる商品も日を追うごとに多種多様化しています。

1-1. 無人店舗、無人販売で販売できる商品の種類

1-2. 無人店舗、無人販売で販売する商品選びのポイント

無人店舗、無人販売で販売する商品選びのポイント

無人店舗、無人販売で販売する商品を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。その中で代表的な3つのポイントを紹介します。

POINT.1 手軽に購入できる商品

無人店舗、無人販売では接客要素はゼロか限定的なため、商品の詳しい説明を必要としないような手軽に購入できる商品が求められます。また説明が求められるような商品を販売したい場合は、商品案内のPOPを設置したりネットに商品の紹介ページを用意するとよいでしょう。

POINT.2 ニーズがある商品

無人店舗で販売する商品は、ニーズがあるものを選ぶことが大切です。いくら珍しいものでも、手軽に購入できるような商品でも、そこにニーズがなければ商品は売れません。ニーズがある商品とは「お客様が購入したい商品に求めている潜在的な欲求を満たす商品」のことです。

POINT.3 映えや話題性のある商品

こちらは必須ではありませんが、映えや話題性も大切です。映えや話題性のある商品は注目されやすく、ニュースで取り上げられたりネットやSNSでの拡散も期待できます。「モノ」ではなく「コト」を売る、つまり「商品から得られる体験、経験などのエピソードや価値が得られるような商品」のことです。

1-3. 無人店舗、無人販売で販売する商品の注意点

先ほど、無人店舗、無人販売で販売する商品選びのポイントをお話ししましたが、今度は注意点についてお話していきます。

商品の安全性

もっとも注意をしなければいけないのは商品自体の安全性です。特に食品類は加工方法はもちろん、消費期限や賞味期限、鮮度などの品質管理が重要です。また食品以外でも商品の品質管理は重要です。 パッケージ型無人店舗では、冷凍設備や適切な管理システムを組み込むことで、これらの課題に対応できます。

顧客の利便性

無人店舗、無人販売では返品、返金が難しいケースが多くあります。そのため、商品自体に問題や不具合が起こりづらい商品であることが大切です。また、そのようなケースになっても対応できるような仕組み(販売方法や販売システム)や対応方法も用意する必要があるでしょう。顧客の利便性を損ねない商品や販売方法が必要です。

周辺環境

2. 無人店舗、無人販売で人気の商品

無人店舗、無人販売で人気の商品から何が人気かを見ていきます。こちらは自動販売機型の無人販売の事例の統計となります。

2-1. 人気の商品とランキング

 「自動販売機JP」の事例の統計※

     
順位 人気商品 事例数
1 冷凍食品(餃子、水産加工品、肉・肉加工品など) 36
2 ケーキ・焼き菓子 20
3 食品類(物販)コンビニ型 17
4 コーヒー豆 13
4 野菜 13
6 物販(生活用品、雑貨、玩具) 12
7 飲料 9
8 レトルトカレー 7
8 ドレッシング、調味料 7
10 衣料品 6

※参考:無人店舗JPの姉妹サイト「自動販売機JP」の事例の統計より。自動販売機で販売している種類を統計(2023年11月8日調査)

2-2. 無人店舗、無人販売で販売できる商品の最新動向

無人店舗、無人販売で販売できる商品の最新動向

最近では化粧品(コスメティック)、衣服・生活雑貨系の無人店舗、無人販売への参入が話題になっています。化粧品ブランドのオルビスが業界初の化粧品の無人店舗をオープンしています。有人店舗に比べて商品ラインナップの違いもあり売り上げは下がっているものの、ランニングコストが4分の1になったことで、そのメリットの方が大きいようです。 また無人店舗とは形態が異なりますが、KDDIが提供する、実店舗を空間再現したバーチャル店舗「αU place」をオープンしています。無印良品やauショップなどが入っています。こちらは実店舗をバーチャル空間に完全再現し実店舗と同じようにショッピングを楽しみつつ購入できる仕組み(購入商品は自宅に配送)で、ECサイトのくくりになるかもしれませんが、これもある意味、新しい無人店舗の形といえます。

※ 参考:業界初「オルビス」の無人販売店舗 スタッフ常駐より「減収」でも、メリットの方が多いワケ|LASISA
※ 参考:バーチャルショッピングのαU place

3. 無人店舗で人気の冷凍商品のメリットとデメリット

無人店舗で人気の冷凍商品のメリットとデメリット

無人店舗で人気の冷凍商品ですが、そのメリットとデメリットを紹介します

メリット

冷凍食品の需要の増加

冷凍食品は年々需要が伸びています。日本冷凍食品協会の下表(冷凍食品国内生産の過去20年間の推移)※を参考にすると年々伸びていることがわかります。また冷凍食品の工場出荷額は7,639億円と前年から4%も伸びており、過去3年で連続プラスとなっており2022年は過去最高でした。またその傾向は続いています。

冷凍食品国内生産の過去20年間の推移

冷凍食品国内生産の過去20年間の推移

※引用元:冷凍食品国内生産の過去20年間の推移|一般社団法人 日本冷凍食品協会

理由として、コロナ禍以降の冷凍食品の巣ごもり需要もありましたが、冷凍食品自体の「すぐできて美味しい」「調理の手間いらず」「後片付けも楽」など冷凍食品が最近の顧客ニーズにもマッチしているようです。それらの理由から冷凍食品は市場として伸びていて、ニーズにもマッチしている商品だといえます。

※参照:[29103] 冷凍食品の利用に関するアンケート調査(第10回)|MyVoice

いろいろな商品を冷凍できるように

冷凍技術の進歩により、味も良く、今までにないような、さまざまな種類の食品が冷凍できるようになっています。また新しい手頃な急速冷凍機の登場で、飲食店や小売業などでも比較的、簡単に扱えるようになってきています。それにより品質も良く美味しく、かつ簡単に販売できて、従来よりも価格も下げられるようになっています。

食品ロス、廃棄ロスの軽減

冷凍食品は、保存がきくので賞味期限が長く期限切れによる食品ロス、廃棄ロスを軽減できます。また食品ロス、廃棄ロスを軽減することで単に食糧問題だけではなく、輸送や処分などの環境への影響や負荷も軽減しコストも削減できます。

デメリット

製造販売するには冷凍する機器や設備が必要

冷凍食品を仕入れではなく製造販売するには商品を短時間で急速冷凍しなければいけません。そのため、急速冷凍機などの機器や冷凍した商品を保存する冷凍庫も必要になります。もちろん商品の調理や食品を前処理する加工機材も必要です。食品の種類や品質、製造工程、販売方法などによって機器や設備も違ってくるので、事前に把握する必要があります。

営業許可や資格、設備、衛生管理が必要

冷凍食品を製造して販売するには、以下の許可や届出※が必要になります。
•冷凍食品製造業の営業許可
•複合型冷凍食品製造業の営業許可
•冷凍・冷蔵倉庫業の届出

3つは、すべてが必要というわけではなく、自ら製造する場合や仕入れして販売する場合などで必要な営業許可が違ってきます。また自ら製造する場合は「食品衛生責任者」の資格や施設基準を満たした設備、HACCP(ハサップ)に乗っ取った衛生管理なども必要です。
※2021年6月に食品衛生法が改正し「食品の冷凍または冷蔵業」の営業許可が再編されました。

4. 無人店舗で販売商品の事例

ホテルタングラム様

ホテルタングラム様

東急リゾーツ&ステイ株式会社が運営するホテルタングラムでは、Cloudpickの無人店舗を導入し、24時間レジなしのコンビニを提供しています。専用アプリは不要で、LINE登録だけで入店から決済まで完了。顧客は商品を選んでゲートを通過するだけで自動決済が行われるウォークスルー形式です。これにより、顧客の利便性が向上し、店舗の人手削減、コスト削減、売上増加、業務効率の向上といった効果が得られています。

ステイ HOTEL 関空店(1階)様

ステイ HOTEL 関空店(1階)様

関西国際空港近くの「ステイ HOTEL 関空店」では、インバウンド需要に対応するためにCloudpickの無人店舗を導入しています。専用アプリによる登録・決済が可能で、多言語対応(6カ国語)により外国人客への利便性が高まっています。商品を持って店を出るだけで自動決済が完了するウォークスルー型レジレス店舗で、直線的な店舗導線が特徴です。このシステムにより、人手不足の解消や業務効率の向上に貢献しています。

5. 無人店舗、無人販売で予想される未来の商品とその市場

無人店舗、無人販売で予想される未来の商品とその市場

5-1. ネット(バーチャル店舗)との融合

2-2.無人店舗、無人販売で販売できる商品の最新動向」でも触れましたが、今後「αU place」のようなバーチャル店舗での無人店舗、無人販売も予想されます。「αU place」は実店舗がありきですが、実店舗がなくてもバーチャル空間で商品が購入できる店舗が増えれば、よりお店側はさまざまなコストを下げることができ、購入する側も移動をすることはなく店舗に行ったような気分で商品を購入することができるでしょう。またAIを使った接客が可能となれば販売商品を増やすことも可能になり、今よりも多種多様な商品を販売し購入できます。

5-2. 商品の多様化と販売チャネルの増加

技術や販売システムの進化や無人販売に求められるニーズにより、今後、無人店舗や無人販売する商品は多様化していくと考えられます。それにより販売チャネル(販売方法や販売場所)も増加するものと考えられます。

大手のように一般店舗を無人化する流れの加速

比較的小規模で空き店舗や店舗前や軒先での自動販売機を活用した販売方法の増加

一方で、比較的小規模な店舗や個人では、空き店舗や店舗前、軒先などのスペースを活用して、自動販売機による無人販売を行うケースが今後も増えるでしょう。理由として初期費用(リース導入など)や管理などのコストを抑えることができ、コストや資金面、制度などで参入障壁となりえる影響が少ないためです。

5-3. 生活や買い物スタイルの変化

5-15-2などにより、近い未来、人々の生活や買い物のスタイルに新しい変化をもたらすと考えられます。また無人店舗、無人販売での商品購買行動がいままで以上に身近なものとなるでしょう。
そして「店舗はミニマル化」し「販売商品はミニマム化」するでしょう。この流れは無人店舗、無人販売だけではなく、普通の店舗でも起こるものと考えられます。それにより過剰な包装、過剰な在庫、過剰な廃棄が少なくなるでしょう。※ミニマル:最小限、無駄がない ミニマム:必要量、最小な単位

6. まとめ

無人店舗や無人販売は、現在さまざまな商品を提供できる点で注目されていますが、その中でも特に食品関連の販売が主流となっています。冷凍食品は特に人気で、今後も需要の増加が見込まれています。また、ネット店舗との融合や販売チャネルの多様化が進む中、パッケージ型無人店舗はその利便性と効率性で多くのビジネスに採用されています。この形態の店舗は、消費者に24時間対応し、より身近で便利な買い物体験を提供しています。店舗のミニマル化と販売商品の効率的な管理も進む中、購買行動がさらに手軽で便利なものになりつつあります

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